当院では「電子処方箋」の発行が可能なシステムの導入が全て完了致しました。明日からでも「電子処方箋」の発行が可能ですが、この「電子処方箋」に付いて御存知の方は少数であると思います。先ずは「電子処方箋」への切り替えによる混乱を避けるため、皆様に周知徹底を図ってから完全移行する予定です。
それでは、この「電子処方箋」とは一体何なのでしょうか?
これまでは受診した医療機関で紙の処方箋を受け取り、その紙処方箋を調剤薬局に患者さん自身が持ち込みお薬を処方して貰っていました。
これが電子処方箋になると患者さんが受診した医療機関(ただし電子処方箋対応医療機関のみ)で処方されたお薬の情報は、一旦「電子処方箋管理サービス」と言われるサーバーに記録されます。この「電子処方箋管理サービス」を介する事で複数の医療機関に通院している患者さんの場合でも、これまでバラバラであったお薬の情報が一括管理される事となります。これにより、他の医療機関で処方されている薬を聞かれて、「あれ、血圧の薬が出てたけど何ていう薬だったかな・・・?」などと困ってしまう事は無くなります。
次に「電子処方箋管理サービス」に記録された薬剤情報を元に調剤薬局(ただし電子処方箋対応薬局のみ)で調剤が行われます。
この様な薬剤情報の一括管理により厚労省によれば、以下の様なメリットがあると説明されています。
①他で処方されたお薬と飲み合わせが悪い処方を防ぐ事が出来る。
②効能が同じお薬の貰い過ぎを防ぎ、お薬の費用も抑えられる。
③マイナポータルを利用する事で自身の処方を確認出来るので健康管理に活用出来る。
④処方されたお薬が分かるので、市販薬を買う際に飲み合わせの確認に活用出来る。
⑤紙処方箋を薬局に提出する必要が無くなる。処方箋を紛失したり、調剤時に紙処方箋を持参するのを忘れる心配が無くなる。
⑥今よりももっと便利に自宅で医療を受けられる様になる。
ただし1点注意事項があります。厚労省は⑤の様に紙の処方箋を薬局に提出する必要が無くなると謳っていますが、しばらくの間は紙処方箋の代わりに医療機関で発行する「処方内容(控え)」と言う紙を薬局に持参して頂く必要が有りそうです。この「処方内容(控え)」には引換番号と言う6ケタの数字が記載されおり、調剤薬局ではこの引換番号を元に調剤を行う事になりますので、絶対に失くさない様にして下さい。
厚労省が公開している動画もありますので、合わせてご参照下さい。