睡眠障害とは
寝つきが悪い、たくさん寝ているのにスッキリしないなど、いつもの眠りが取れなくなる状態を指します。
睡眠障害の原因はストレスや気分の落ち込み、不安などの心理的要因があります。
睡眠障害にはいくつかの種類がありますのでそれぞれに適した治療が必要です。
睡眠障害の原因
睡眠障害には生理的な原因、心理的な原因、飲食物・薬などの影響、身体的な原因など様々な原因が考えられます。
- 生理的な原因
睡眠には眠りホルモンと呼ばれるメラトニンというホルモンがあります。
メラトニンが分泌されると眠くなる効果がありますが、睡眠障害の場合このメラトニンがうまく分泌されていない可能性があります。メラトニンの分泌をコントロールするには、体内時計と明るい光の2つがあります。
体内時計は起床してから14~16時間の間はメラトニンの分泌を抑える機能が備わっています。
そのため、夜になるとメラトニンが分泌され始め、眠たくなる仕組みです。太陽や室内の照明の他にもスマートフォンやゲーム機の画面などから発せられる光にもメラトニンを抑える効果があるので、就寝前にスマートフォンやゲームの長時間の使用は睡眠障害の原因になりえるのです。
- 心理的な原因
仕事や学校、プライベートなどで精神的なストレスがあると、脳が興奮して寝付けない場合があります。
ストレスは不安や心配事などの悪い出来事だけではなく、環境の変化や嬉しいことがあった時にも無意識的にストレスを感じることがあります。
また、眠れないことでストレスを感じ、悪循環に陥ることもあります。 - 飲食物・薬などの影響
眠れないためアルコールを摂取するという方がいるかもしれませんが、脳の活動が低下するため寝つきはよくなりますが、眠りが浅くなるため、睡眠の質は低下します。
また、コーヒーに含まれるカフェインやたばこに含まれるニコチンも脳を覚醒させるため、睡眠障害の原因となることがあります。 - 身体的な原因
痛み、かゆみ、せき、いびき、頻尿など外傷や病気による原因の場合は、まずはその原因を改善することが大切です。
主な睡眠障害
睡眠障害には不眠症、過眠症、睡眠時無呼吸症候群などの症状があります。
- 不眠症とは
なかなか寝付けない、寝ている途中に目が覚める、十分な睡眠をとっているが疲れがとれない。
このような症状は誰しも経験するため、特に病気ではありません。
しかし、このような状態が長期にわたる場合、体調を整えることができなかったり、気分が落ち込んだり、ボーっとして頭が働かないなど日常生活に支障をきたすことがあります。 - 過眠症とは
十分な睡眠をとっているにも関わらず、日中眠くなる、強烈な眠気に襲われる、熟睡できていないような気がするなどの状態のことを指します。
仕事中や大事な場面など眠ってはいけないようなところでも強烈な眠気に襲われるため集中することができないなどの日常生活に支障をきたすことがあります。 - 睡眠時無呼吸症候群とは
睡眠中に急に呼吸が停止してしまったり、低呼吸になる疾患のことです。
肥満やのど・あごの骨格的な形状などによってのどの空気の通り道が塞がることが主な原因です。
治療をせず放置していると、高血圧、糖尿病、不整脈、脳卒中などの疾患から突然死のリスクが上がります。
睡眠障害の症状
睡眠障害の主な症状には入眠障害、中途覚醒、早朝覚醒、熟眠障害などがあります。
- 入眠障害:布団に入っても30分以上寝付けないことが週のうち半分以上ある
- 中途覚醒:寝ついても夜中に2回以上目が覚める
- 早朝覚醒:起床時間より2時間以上早く目が覚める
- 熟眠障害:起きた時にぐっすりと眠った感じがせず、眠気やだるさがある
睡眠障害の治療法
睡眠障害の主な症状には入眠障害、中途覚醒、早朝覚醒、熟眠障害などがあります。
睡眠障害の治療で重要なことは、生活習慣の乱れ、睡眠環境を整えることです。
毎日の起床、就寝時刻を一定にして生活リズムを整え、朝起きたら太陽の光を浴びるようにしましょう。
日中は適度な運動をして寝る前のカフェインの入った飲み物や喫煙、アルコールは控えます。
就寝する部屋は快適な温度、湿度を保ち照明も不安にならない程度に暗くしましょう。