「シン・ゴジラ」、「シン・ウルトラマン」など様々な「シン」シリーズが登場しましたが、うつ病にも「シン」シリーズが登場しました!と言うのは悪い冗談です。申し訳ありません。
しかし、この「シン・うつ病」と言う病名もあながち冗談ではありません。最近、マスコミでは「新型うつ病」、「現代型うつ病」などとして「新しいタイプのうつ病」が紹介されていますが、これらは専門用語では無く単なる造語です。従って「シン・うつ病」と「新型うつ病」、「現代型うつ病」も大差は有りません。
これまでも「新しいタイプのうつ病」は未熟型うつ病、逃避型抑うつ、ディスチミア親和型うつ病などと様々な呼び名で報告されてきましたが、どれも正式な病名とはなっていません。唯一、「非定型うつ病」は専門用語として認められており、この「新しいタイプのうつ病」に近い疾患と考えられます。
従来のうつ病は「メランコリー親和型性格」と言う病前性格を持った人がかかりやすい病気であると考えられて来ました。そして、この「メランコリー新型性格」とは以下の様な特徴を持っています。
・仕事熱心
・几帳面
・秩序を重んじる
・対立を避け、他人に尽くす
・良心的
・責任感が思い
どうですか?クラスに一人は居た学級委員長タイプ、善良で皆の為に良く働く真面目な人です。
その一方で「新しいタイプのうつ病」は以下の様な病前性格、症状の特徴を持っています。
・自己中心的
・他罰的
・仕事に対しては無関心で意欲は無いが、趣味などには意欲的に取り組む
・疲労感が強い
・20~30代の若者に多い
・抗うつ薬が効きにくい
どうでしょうか?「従来のうつ病」と「新しいタイプのうつ病」は180°真逆の病気と言って良い程、対照的な特徴を持っています。これを同じ「うつ病」として扱ったのでは色々と矛盾、誤解が生じるのは当然と感じます。これではおじさん上司にいくら病気であると説明しても理解して貰えそうな感じはしないですよね(私も立派なおじさんですが・・・)。
ですから、先ずはこの「シン・うつ病」の存在、特徴を広く啓蒙する事が重要であると思います。皆さんも上司に今のつらい状態を理解して貰えない時には、このコラムを読んでくれる様に頼んでみて下さい。